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知的財産権ってなんだろう? |
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「知的所有権」「無体財産権」とも呼ばれてます! |
「知的財産権」とは、
知的な創作活動によって何かを作り出した人に対して「無断で利用されない」といった権利を与えられた制度です。そして、知的財産権は、様々な法律によって保護されています。
「あなたのオリジナルの創作物の保護等に関する制度」です。同じものを意味する用語としては「知的所有権」「無体財産権」などとも呼ばれいます。
知的財産権は、大きく分けると3つに分かれます。
1つは、産業経済の発展を目的とした、特許権、実用新案権、意匠権、商標権といった産業財産権(工業所有権)
2つは、文化の発展を目的とした、文化的な創作物を保護の対象とする著作権
3つは、その他の権利です。
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著作権とはどんな権利でしょうか? |
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著作物とは |
●著作者の権利によって保護されているもの著作物といいます。
著作物を簡単に言いますと、無断で利用してはいけないものです。
●著作物は、著作権法で「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、または音楽の範囲に属するもの」と定義しています。
※特許権とは“発明やアイディア”を保護し、著作権とは“表現”を保護しています。
著作権法で例示している著作物の種類 |
言語の著作物 |
講演・論文・レポート・作文・小説
脚本・詩歌・俳句など |
音楽の著作物 |
楽曲・楽曲を伴う歌詞 |
舞踊・無言劇の著作物 |
日本舞踊・バレエ・ダンス・舞踏
パントマイムの振り付け |
美術の著作物 |
絵画・版画・彫刻・マンガ・書
舞台装置など(美術工芸品を含む) |
建築の著作物 |
芸術的な建築物 |
地図・図形の著作物 |
地図・学術的な図面・図表・設計図
立体模型・地球儀など |
映画の著作物 |
劇場用映画・アニメ・ビデオ
録画されている動く映像
(ゲームソフトの映像部分など) |
写真の著作物 |
写真・グラビアなど |
プログラムの著作物 |
コンピューター・プログラム |
◎二次的著作物とは
例えば、ある外国の物語を日本語に“翻訳”した場合に1つの著作物を原作とし、新たな創作性を加えて作られたものは、原作となった著作物とは別の著作物として保護されます。このような「創作的な加工」により創られた著作物を二次的著作物と呼びます。
※このような場合には原作の著作者の了解が必要となります。
◎共同著作物とは
2人以上の者が共同して創作した著作物をいい、その各人の寄与分を分離して個別に利用できないもの共同著作物と呼びます。保護期間は、最後に死亡した著作者の死亡時から起算されます。
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保護を受ける著作物とは、次のいずれかに該当するものです。
●日本国民が創作した著作物(国籍の条件)
●最初に日本国内で発行された著作物(発行地の条件)
●条約により日本国が保護の義務を負う著作物(条約の条件)
※例外として、次のようなものについては著作権は及ばないとされています。
@憲法その他の法令(地方公共団体の条例や規則)
A国や地方公共団体または独立行政法人の告示・訓令・通達など
B裁判所の判決・決定・命令など
C、@ABの翻訳物や編集物
(国・地方公共団体・独立行政法人が作成するもの) |
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著作者とは |
著作物を創作した人を著作者といいます。
創作活動を職業としていなくても、学生や園児が作文や手紙、絵などを書いたりすれば、それを創作した人が著作者になり、ウマいかヘタということや芸術的な価値などとは一切関係はありません。
※著作物の創作を他人や他社に発注した場合などは、料金が発生したか否かによらず、実際に著作物を創作した側(受注者側)が著作者となりますので、このような場合は、納品後に発注者側がその著作物を利用(コピー機で増刷など)するためには、あらかじめそのための契約をしておくことが必要になります。
〜法人著作(職務著作)の場合はどうなるの?〜
著作権法では、職務上作成する著作物の著作者については特別の規定がおかれており、プログラムの著作物とそれ以外で扱いが異なっています。
次の要件をすべて満たす場合に限り、会社や国などが著作者になります。
法人著作の要件
@著作物の創作が法人その他の使用者(法人等)の発意に基づいていること
A法人等の業務に従事する者が創作したものであること
B職務上著作物が創作されること
C公表する場合に法人等の名義で公表されるものであること
D契約や就業規則に「職員を著作者とする」という定めがないこと
※プログラムの著作物については公表されない場合も多いためCは要件外です
職務上作成する著作物の著作者については特別に規定があります
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著作権者に認められる権利の内容 |
著作権者の権利には「精神的に嫌な思いをしない権利」と「経済的に損をしない権利」があります。
◆精神的に嫌な思いをしない権利・・・・・「著作者人格権」
◆経済的に損をしない権利・・・・・・・・・・・「著作権(財産権)」
・これらの権利は、著作物が創作された時点で自動的に付与されています
・著作人格権は他人に譲渡できないとされています
著作権者の権利 |
著作者人格権 |
公表権 |
無断で公表されない権利
公表の著作物を公表するかしないかを決定できる権利 |
氏名表示権 |
名前の表示を求める権利
自分の著作物を公表するときに「著作者名を表示するかしないか」するとすれば「実名か変名か」などを決めることができる権利 |
同一性保持権 |
無断で改変されない権利
著作物の内容や題号を著作者の意に反して無断で改変されない権利 |
著作権(財産権) |
複製権 |
無断で複製されない権利
手書・印刷・写真・複写・録音・録画PCへの蓄積などの方法によって著作物を有形的に再製(コピー)する権利 |
上演権・演奏権 |
無断で公衆に上演・演奏されない権利 |
上映権 |
無断で公衆に上映されない権利 |
公衆送信権 |
無断で公衆に送信されない権利
・テレビやラジオなどの放送や有線放送
・インターネットなどを通じた自動公衆送信(FAXやMAILなど)
・電話などの申し込みを受けて都度手動で送信することなど |
公の伝達権 |
無断で受信機による公の伝達をされない権利 |
口述権 |
無断で公衆に口述されない権利
朗読などの方法で口頭で公衆に伝達することに関する権利 |
展示権 |
無断で公衆に展示されない権利
美術の著作物又は未発行の写真の著作物の原作品を公に展示することに関する権利 |
譲渡権 |
無断で公衆に譲渡されない権利 |
貸与権 |
無断で公衆に貸与されない権利 |
頒布件 |
無断で公衆に頒布されない権利
映画場合に限っては、著作物の複製物を頒布(販売・貸与など)することについてが付与されています |
二次的創作物の創作権 |
無断で二次的著作物を創作されない権利
著作物を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化そ・の他翻案する権利 |
二次的創作物の利用権 |
無断で二次的著作物を利用されない権利
自分の著作物(原作)から創られた二次的著作物をさらに第三者が利用することに関する原作者の権利 |
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保著作権の護期間について |
著作権や著作隣接権などの著作権法上の権利には、一定の存続期間(保護期間)が定められています。
著作者人格権の保護期間
著作者が死亡したり、法人の場合は解散すれば権利も消滅することになり、著作者の生存している期間が保護期間となります。けれど、著作者の死後などにおいても、原則としては著作者人格権の侵害となるような行為をしてはいけないとされています。
著作権(財産権)の保護期間
著作者が著作物を創作したときに保護期間は始まり、原則として
著作者の生存している期間+死後50年
著作物の種類 |
保護期間 |
無名又は変名の著作物の著作物 |
公表後50年 |
団体名義の著作物 |
公表後50年 |
映画の著作物 |
公表後70年 |
保護期間の計算方法
死亡、公表、創作した年の翌年の1月1日から起算します。
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他人の著作物を利用する方法! |
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「著作権が侵害された!!」〜そんな場合の対抗措置〜 |
自分の著作物が、無断でコピー・販売されたり、インターネットで使用・送信された場合など、著作者の権利や著作隣接権が侵害された場合などには対抗処置をとることができます。
刑事上の対抗措置
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著作権の侵害は犯罪行為であり、権利者が告訴を行うことで侵害者を処罰してもらうことができます。
3年以下の懲役または300万円以下の罰金という罰則規定が設けられています。 |
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民事上の対抗措置としては
◆損害賠償請求◆侵害行為の差止請求◆不当利得返還請求◆名誉回復等の措置の請求なども可能となります。 |
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©マークについて |
ホームページや書籍の巻末、写真などの片隅に“©”(マルシーマーク、サークルシー)という表示がよくみられます。
これは、著作権保護が進んだヨーロッパ諸国や日本では基本条約であるベルヌ条約に基づいて著作権は申請・審査・登録などの手続きを一切必要とせず、著作物が創作された時点で自動的に付与される(無方式主義)という制度が、すでに100年以上も前から確立されていましたが、これに対して、米国などいくつかの国では、著作権を得るためには政府機関への登録等が必要(方式主義)という制度が最近まで維持されてきました。このため、日本やその無方式主義の国での著作物は、米国では登録しない限り保護されないという事態になってしまいましたが、これらの問題を解決するために、1952年に万国著作権条約というものが制定されました。この条約の規定により、著作物に©や(C)などを付しておくことによって登録されているものとみなして保護されることになったのです。
ですが、それら遅れていた米国も1989年にベルヌ条約を締結して無方式主義に移行していますので、現在では方式主義をおる国はほとんどなくなっており、現在では権利者名を示すためのマークなどとして利用されているようです。 |
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